気仙沼にて

気仙沼宮城県)で、日精看宮城県支部の研修を行う。


今日は、グループワークの研修ということで、自分が前々からやりたかったテーマ。
事前に聞いたところ、気仙沼での開催と言うことも関係して、受講者の人数も少ない(17人*1)。
これなら、自分の考えている事が色々できる!と判断して、講義は最小限度(30分)で、残りの時間の全てを演習に使うという大胆な(←自己評価)構成にした。


グループワークは、基本的に体験学習のプロセスをベースにする必要がある。集団学習を構成する際に配慮すべき特徴は・・・

  1. ある経験をした時に、受講生に生じる解釈や反応をコントロールすることはできない。個別面談の場合は、相手の解釈や反応を確かめながら進める事が出来る*2が、集団の場合は全員に確認することが難しいため。
  2. 集団を構成する人たちの人間関係が既に構築されている場合、その人間関係がグループワークの経験に強く影響する。全ての参加者が初対面同士であっても人間関係に対する基本的な考え方が影響する。
  3. 集団を構成する人たちの熱意やリテラシーには差異がある。
  4. 演繹的な学習課題を設定すると参加者間で自己評価をし合う傾向が強まり、集団内で対立や熱意の低下が起こりやすい

そこで、一般的な講義よりは、学習に注力したグループワークでは、以下のようなことを重視する必要がある。
・体験や思考の可視化(または、具体化)
・体験の振り返り
心理的報酬の喚起
・多様性の尊重
例えばSST*3では、進行に応じたホワイトボードへの記載(可視化)と振り返りの時間を設ける事ではじめの二つを行い、それぞれの意見の尊重やロールプレイへの参加などを通じて、多様性の尊重と心理的報酬の喚起を行っている。


今回の気仙沼研修の一つのテーマは、チーム・ビルディング。
ので、コミュニケーションの可視化を午前中に、チームワークの可視化を重視したタスクを午後に設定した。
ある参加者が、「研修中にこんなに笑ったのは人生で初めてだった」と話していたそうで、こちらの設定した意図がだいぶ伝わったと思う。


その後の話etc.は、10日のblogにて。

*1:過去6年くらいで最少の人数

*2:書籍「コンコーダンス」では個別面談を想定して事例や場面をつくっているが、それは相手の解釈や反応を確かめながら慎重に対話を進めると言う方法の方がシンプルで考えやすいから

*3:Social Skills Training