盛岡商業の齋藤監督

盛岡商業の齋藤監督のインタビューから一部を抜粋*1

――DFの中村翔君、FWの東館勇貴君、2年生の林勇介君とナショナルトレセンに選ばれている選手が集まっていますが、才能のある選手を前にして、精神的な部分をどう強調したのですか

 この年代は、テクニックとかタクティクスとかも教えれば伸びるのかもしれませんが、もっとも人間として基本的に大事な部分を頑張るとか、人を思いやるとか、一番感性がある時期なので、鍛えれば鍛えるほど、いい大人になってくれると思っています。よく言うんですが、盛岡にあるデパートの話をして「お前が頑張る気持ちを100万円で売っているなら、先生は買ってきてあげる。残念ながら売ってねえんだ。1000万円でも買ってきてあげる。売ってないから、それだけは自分でやるしかない」という話をするんですけれど。何でもお金で身に付けられる時代に、精神的なもの、心の部分は、歯を食いしばってつらい思いをしながら、最後に達成感を得られるのだと思っています。

――地元のファン、子どもたちにメッセージをお願いします

 大した子供たちじゃなかったと言ったら失礼なんですが(笑)、あの程度の連中は全国にいっぱいいますよね。サッカーの素晴らしさに顔を向かせたり、向かせてくれたり、向いてくれたり、そうしながらやっているわけですが、地域の中で合宿所の食堂の方々がすごく応援してくれたり、冬にロードに出掛けても「気をつけて頑張れ」と声を掛けたりしてくれます。  今回、結果が出て非常に良かったと思うのは、岩手県はなかなか思いを達成できていない部分があるので、生徒たちが結果を出してくれたことで、サッカー以外のスポーツでも良い影響を与えられれば最高に幸せだと思います。小さい子たちにも「俺たちも」という夢を持ってもらえればいい。小笠原(満男)に代表されるように、個人を送り出すことも非常に大切なんですけれども、やはり学校の部活動としてやっている中で、制約された活動の中でも結果を出すことで、多くの子供たちが「夢は実現できる」と思ってくれればいいと思います。

お金で「身につけられる」時代だけれど、「精神的なもの」は達成感を得ることで伸びる。
そうなんだよねぇ。