ホームレス not ホープレス

これは8月23日の日記です。
8:45 地域看護のセンセイであるCarolと会う。地域実習の初日で12人の学生と会った。
10:00 去年も訪れたホームレス向け施設を2つ見学。この2つの施設と言うのが対照的な取り組みをしていて面白かった。
・1つめに訪れたUnion Gospel Missionでは、利用者たちがアルコールや薬物との関係を断ち切るために共同生活をしている。昼は施設を通じて紹介された場所でバイトをして、夕方もミーティングすると言う形の積極的なケアが展開されていた。
・2つめに訪れたHouse Of Charityでは食事の無料提供サービスを行っている。他に行っているサービスは、シャワールームの開放、洗濯室の開放、簡易宿泊室の開放のように衣食住に関するサービスだった。居場所としての意味合いが強いようだった。


13:00 ホームレス施設のなかで、利用者さんに混じってぼーっとしてみる。んー。働かなくてもいいって考えられたら、この空間に居ついてしまいそうな気がした。
 そこでホームレスさん数人にインタビューしてみた。House Of Charityで聞いたところ、「細かいことを言われたり生活に規律を求められたりしないのがいい」とのこと。それで大丈夫なのかな?と思ったら、数人インタビューしたうちの一人がパートタイマーとして働き始めたんだそうだ。コンピュータ会社のカスタマーサービスをやっているらしい。んー、素敵だ。


14:00 Outreachスタッフの誰か(名前忘れた)にインタビューする。施設に来てご飯を食べた後ゆっくりしているClientはまだいい方で、陽性症状があるんだけれど医療を受けられないでいる人は食べたらすぐに帰って自分を守っていることが多いんだよ、と言っていた。そうか、アメリカでは医療を受けたくても保険がないから受けられない場合があるのかぁと思った。ちなみに日本で言う生活保護も一応あるんだけれど、それでもやっぱ医療を受けるのは無料というわけではない(ワシントン州の場合)そうです。
15:30 House Of Charityが掃除のために2時間ほど施設を閉めるので、おいとまする。
  今日のスケジュールはこれでおしまい!

<<今日の感想>>
 ホームレスと言われる人たちに、恐ろしいと思う部分はなかった。いろんなエピソードがあった。旦那の暴力から逃げてきた人、不当と思われる解雇をされたままの人、親が突然いなくなってしまった人、いろんな人がいた。もちろん、精神障害者と思われる雰囲気の人もいたのだけれど、どうもホームレスの全員ではなくごく一部のようだ。職業安定所よりも集まりやすい場所という印象を受けた。人生に悲観した感じの人はそう多くないように見えた。その理由はよくわからないのだけれど。
 日本の場合はホームレスが圧倒的に少ないことになっているけれど、社会の中で受け入れる(住める)場所がないから家庭or精神病院にいるしかないんじゃないかという気がした。
 就労と言う観点で言うと、アメリカに来てから援助職にいる人の多くが語っていた「親世代に就労経験があまりないと、その子ども世代の働く意欲は低いことが多い」という点が印象に残っている。顧みて日本ではどうか。子どもが親を見て、働くことについて正の意味づけができているのだろうか?