ちょっとしたはなし

きょう、ある患者さん(入院中)と面談をしました。
その面談は、患者さんが別な患者さんに「タバコを買ってきて」と言ったり「携帯電話の名義を貸して」と言ったりしたため、断ることに困ったというエピソードがあったためです。

面談中、その患者さんが入院中に別な患者さんに金銭的な損害を負わせたエピソードが出てきました。被害を受けた患者さんがその損害を請求しないという選択をしたという話になりました。
そのとき、あんぼはこう言いました。
「なぜ、その患者さんが、あなたにお金を請求しなかったんだと思いますか?」
・・・いいえ、わかりません。 と相手は答えました。
そのとき、あんぼは、この言葉を紹介しました。

金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。
しかし、勇気を失うことはすべてを失う。

「おそらく、その患者さんは、自分とあなたの名誉を守るため、金を失うことを選んだのだと思いますよ。」
それでもその患者さんは、「名誉」について実感が出来ていないようでした。このような場合、社会的な規範を元に行動変容を求めることの効果は低い。

・・・さて。どうしようかな。