大日本人だよ

大日本人をみたよ!
しかし…う〜んこれで良かったのか松本人志
ことばあそびとか、面白いところはいっぱいあるんだけれど・・・。うーん。


以下、ネタバレがある可能性がありますので、mixiユーザ限定でネタバレ部分のレビューをmixiに書く予定です。
あんぼのツッコミ(ダイジェスト版、ネタバレしなさそうな範囲で)
・序盤、電話のシーンで「やく」と言ってることについて
・出演者の竹内力(とUA)について(板尾さんにはコメントしない!)
・テレビCMに出てくる、太った子供が走るシーンについて
・最後の終わらせ方について


基本的には、ガキの使いによく見られるような、器の小さな人間を際立たせているという手法の映画でした。脇役のほとんどが、無責任に自分の立場や他人の評価を主張する人々として登場しています。例外は4代目くらいかな。
(大日本人と4代目に、ヒーローのもつ矛盾が写し出されるようにそうしたのでしょう。ヒーロー自身がもつヒーロー像に、バラエティ的ドキュメンタリーやエンターテイメントというフィルターをかけることで笑わせたり、悩ませたりしているように思います。)
ヒーローものですが、他の何かからみた立場を映すことでヒーローの置かれた立場や矛盾をコミカルに示そうというスタイルでした。*1


同じテーマを分かりやすく描くことができただろうに、なぜこの形式(スタイル)なのか。
多分、笑いの要素を残したいこと、安易な解決メッセージを提示するのが嫌だったことが関係しているのでしょうが、しかし観客にはこのスタイル自体が受け入れられにくいだろうなぁ。


いずれにせよ、この1作では残念ですと言っておきます。
予算やスケジュールの都合かもしれませんが、映像に対するこだわりが少なさすぎると思いましたし。




ただし、松本人志監督という才能については、十分に見せつけられました。
人間が関係性に立脚しているという近代以降の社会のあり方、資本にこだわる人と観念に生きる人の対比、無節操とか無遠慮とか破廉恥に対する嫌悪と諦め、などなど。
笑いをとれる人は、社会を鋭く捉えている人だということを再認識しました。


できれば、ガキの使いとかごっつええ感じに見られるようなドキュメンタリーと虚構の挟間の笑いではなくて、
松本人志監督の底流にある、情緒とか哀愁のかたちを表現した作品と笑い(微笑でいい)が見たいです。

*1:松本さんが今日ある番組に出ていたのですが、作品のアイデアとして話していたものの全てが「ドキュメンタリーという名の虚構」に基づくものでした。人間を相対化することを重視していて、かつ相対化の手法として「撮影」という行為そのものを用いているんだろうと思いました。