大統領ってなんだろう

アメリカ合衆国大統領選挙について2点。長いからフォントを小さくします。

1:基本的価値観としての宗教を争点にしちゃったのね

アメリカ大統領選挙の行われる過程で、ブッシュもケリーも宗教色を写しだし、イラク戦争や経済政策を選挙の争点から遠ざけてしまいました。これはアメリカの国民が抱えている不安をうつし出しているように感じます。
宗教色が選挙の中心になると言うことは、基本的な道徳的価値観に対する関心が高まってきていると言えます。道徳的価値観から顧みる必要があると、アメリカ合衆国民は感じていると推察できます。昨日のNEWS23では2点指摘していました。米国内における社会階層間の断絶と9・11テロが影響している可能性がある、と。
ブッシュは宗教によってよき人生を取り戻した象徴として見られているフシがあります。というか、選挙戦略の一つとして宗教を使われてしまった感があります。今回のブッシュ当選は、イラク戦争支持でも経済政策支持でもなく、約半数の国民が抱いている漠然とした不安に対する宗教心による解決を求めた結果なのだと解釈することが出来ます。
さて、そういう視点で見ると、ますます海外諸国にとって迷惑な話です。簡単に言えば、アメリカと言う国は国民の総意として精神的余裕のない状態に陥っているわけでして、何をやらかすかわかりません。ここ数年の傾向で見ても、悪の枢軸と名指しした国に対しては客観的理由(大量破壊兵器の有無)に関係なく占領状態にしてしまうことなど、自国の価値観に対して強固なだけで盲目的または視野狭窄的だといえます。
宗教は確かに人の信念を強固にする作用を持っていますから、自国にとっては安全かもしれません。旅行目的での入国者の指紋を採取することだって、米国民が安心するためだったらかまわないと思うのかもしれません。そんな風に、世界で最も経済的軍事的に最大の規模を持っている国が、他の国を思いやることを忘れていると言う事態は憂慮すべきことなのだと思います。

2:コントロール可能な民意

完全に民意を反映した制度などないと思っています。けれどアメリカ合衆国の場合は、民意のコントロールがパワーエリートたちによって行われることに問題があると思います。
例えば、このBLOGをご参照ください。
不正が横行するアメリカ大統領選挙(http://tanakanews.com/e1008election.htm)
フロリダ州については他にも、共和党支持者層の多い地域に投票所および投票用機械が多くあるとか、選挙管理を行う立場の人がブッシュ大統領の選挙キャンペーンに同席していたりとか、明らかに中立性を欠いていることが比較的堂々と行われています。
これってなんなんでしょう?大統領選挙の行方に関心のある人ほど選挙に肩入れする気持ちはわからなくもないですが、そのことが他人の自由な判断を奪うことは考慮しなくていいのでしょうか?
日本でも、水面下でロビー団体が選挙についての言及をしていることはあります。けれど強制力の低い言及にとどめている(例えば投票のときに看護師が医師会の応援する候補以外に投票することが可能)ように思います。アメリカにとっての自由と権利ってなんなのだろうと考えさせられました。