電話加入権2011年廃止へ

電話加入権>2011年めどに廃止へ NTT東西

 NTT東日本、西日本は8日、新たに電話を設置する際に必要な施設設置負担金電話加入権)を2011年をめどに廃止する方針を固めた。加入権設定の目的だった電話網の整備がほぼ完成したと判断したためで、これまでに受け取った負担金は一時金であるとして返金に応じない方針。加入権は市場で売買されているほか、企業会計上は、価値が劣化しない無形固定資産として計上されており、廃止によって加入権が無価値になると、影響が大きい。
 このため、総務省はNTT東西に対し、加入権獲得のために必要な現行の負担金7万5600円を06年度以降5〜6年かけて段階的に引き下げていくよう求めるほか、06年度から企業が加入権を減価償却できるように財務省に要望するなど対策を講じる方針だ。
 関係筋によると、総務省の情報通信審議会電気通信事業部会は19日に「NTT東西が加入権廃止も選択肢とした見直しを欲するのであれば、それは受忍されるべきだ」との答申を出す。新電電が加入権のいらない固定電話サービスを今冬から開始するなど、通信業界の競争が激化しているため、NTT東西は答申を受け、月内に廃止を最終決定する見通し。
 加入権による収入は、電話局から加入者までの電話線の建設に充てられてきたため、利用者側には「国民の共有財産を建設するための利用者からの借金」との見方も根強く、廃止には利用者の強い反発が出ることも予想される。企業側は日本経団連が「廃止は妥当」と結論付けるなど受け入れる姿勢だが、加入権が無価値になった場合の企業負担は軽くはない。
 加入権は現在、譲渡や質入れも可能。民間の加入権売買業者の販売価格は1万円台に低迷しており、買い取りをやめた業者も多い。加入権を取引する業者で作る全日本電話取引業協会は「加入権保有者が今後も何らかのメリットを受けられるようNTTと交渉していく」と話している。【吉田慎一】
 ■ことば=電話加入権
 新たに電話を引く際にNTTに「施設設置負担金」を支払うと、転居して電話を引く場合に新たな負担は必要なく、電話を使わなくなったら、支払い実績を転売することも可能なため、「電話加入権」とも呼ばれている。NTTは電話網整備のために使う一時金で、利用者の債権ではないと説明している。約6000万人の電話加入者のほとんどが保有し、現行の負担金で計算すると総額4兆3200億円(税抜き)に上る。
 加入権は旧電電公社時代の「設備料」を引き継いだ。旧公社時代は、このほかに電信電話債券(税抜き15万円)の購入が必要だったが、83年に廃止、償還されている。

例えばゴルフ会員権とかスポーツクラブ入会料だって、ある時期からいきなり無料になっちゃったら前からの利用者は憤慨すると思うのですけれど。
利用基本料金に反映するとか、何らかの利用者への償還をして欲しいなあと思いました。