相馬地域の事を聞き、色々と考える

相馬市と南相馬市では、精神科医療が空白化するかもしれないという危機が訪れている。
相馬市では、公立病院に精神科外来があり、南相馬市では、精神科クリニックが2軒ある。
入院医療が存在しないため、入院での医療が必要な患者さんが、50km以上離れた福島市の精神科病棟に搬送されているという状況。

被災地対応として「こころのケアチーム」は来ているものの、基本的には避難所での予防的ケアが中心になっている。

そういった状況をより知るため、南相馬地域で無償ボランティアで働いている精神看護認定看護師さんと電話をした。すると・・
南相馬に震災前に存在していた病院にかかっていた患者さん達との連絡は、だいたいとれつつある。
訪問看護など、アウトリーチ関連のことがなかなか行き届かない。
・震災後に入院が必要になったケースは8例あった。単純に掛け算すると、1年間で50例くらい生じるかもと思う。
・入院となった途端に生活環境から話されて福島市等の遠方にいくことになるのは、忍びない。
・せめてクリニックが有床診療所になればとも思うが、南相馬に残って診療を続けてくれている先生に追加で入院もとお願いするのも申し訳ない。
・正直、自分の生活の糧が心配なところもある。

と言う状況。

考えるテーマ1:彼の人件費をどうやって捻出するか
・国や県の事業費をもらう・・復興関連の事業費とか、厚生労働省が行うアウトリーチ事業
・相馬市の公立病院職員として採用してもらって続ける 
・ひとり訪問看護ステーションを立ち上げる・・事務手続きが大変そう
上の二つが確保できればすごくいいが、それらが難しい場合には、いよいよ訪問看護ステーション、、だ。

考えるテーマ2:入院でのケアが必要な方について
入院でのケアが必要な方の対応を南相馬で行うためには、基本的には医師が入院をとることが必要だ。でも、相馬地域外から相馬地域在住になるという医師は、今のところ見つかっていないらしい。
医師が難しいと入院は基本的に難しいが、米国のナースプラクティショナーが管理するトリアージ施設*1みたいなものが日本でも開設可能になってくれれば、医師がいなくても一部の精神科患者に対しては対応が可能になるかもしれない。

南相馬地域の精神保健福祉に関することはこれからも応援していくつもりなので、
ときどき、ここでも記述するかもしれません。

*1:精神科救急の症状を呈する患者のうち、精神症状の慎重なアセスメントが必要な方の観察をするために一晩滞在可能なクリニック的施設