訃報:土居健郎先生

http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090706-OYT1T00320.htm

「『甘え』の構造」土居健郎さん死去

「甘え」をキーワードに日本人の心性や行動様式を分析した精神医学者の土居健郎(どい・たけお)さんが5日午後、老衰のため、死去した。89歳だった。
 葬儀は親族のみで行う。後日、お別れの会を開く予定。喪主は長男、望(のぞむ)さん。
 東京生まれ。東京帝大医学部卒。米メニンガー精神医学校に留学した後、聖路加国際病院神経科医長、東大医学部教授、国際基督教大教授などを歴任した。1983年からは国立精神衛生研究所長。85年に退官し、聖路加国際病院顧問をつとめた。
 71年に刊行された「『甘え』の構造」は、集団主義や義理、人情といった日本人の心性や行動様式の特徴を分析したもので、日本人論ブームのきっかけとなった。部数は140万を超え、現在もロングセラーとして読み継がれている。「甘え」の理論は、精神医学にとどまらず、社会学文化人類学などの領域にも広く示唆を与えた。海外でも読まれ、「甘え」は国際的にも使われた。
 他の著書に、日本人の建前と本音の問題に迫った「表と裏」などがある。
(2009年7月6日10時32分 読売新聞)

僕は直接お会いしたことも、指導を受けたこともないのだけれど、
東大病院のデイケア(デイホスピタル)の設立にかかわるなど、精神医学というよりも社会とか文化を通じて人の心を見つめようとしていた先生のように思います。
直接お会いすることはありませんでしたが、尊敬する先生でした。


土居先生は、現在社会をどんなふうに見ていたんでしょうか。
僕は、それが少し気がかりです。


ご冥福をお祈りします。